会長挨拶
2024年度を迎えて
会員の皆様におかれましては、日頃から協会事業の推進に、ご理解・ご協力を賜り深く感謝申し上げます。
まず、能登半島の地震災害において亡くなられた方にご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様及び関係者の方々には心よりお見舞い申し上げます。そして、災害支援ナースとして被災地域で支援活動に従事していただいた皆様をはじめ、職員を派遣していただいた施設の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
少子超高齢社会が進展する中、人々がその人らしい生活が送れるように支援する看護職の役割は、ますます重要となっています。出生前から人生の最終段階に至るまで、あらゆる世代、あらゆる場所で人々にとって最も身近な医療専門職として、看護職はその力を発揮していくことが求められています。
昨年10月に、「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」が、制定以来約30年ぶりに改定され、増大・多様化する看護ニーズに対応するために看護師等の確保を推進していくとともに、看護師等の個人の資質向上を図っていくという方向性が示されました。当協会もこの基本的指針に基づき、復職支援などにより看護職の確保施策を展開するとともに、資質向上に向けた多様な生涯学習支援事業に取り組んでいるところです。
また、神奈川県の看護職就業者数は、2022年度の医療従事者届け出によると、87,768人で、前回調査(2020年末現在)に比べ、1,408人(1.6%)増加していると報告されています。しかしながら、看護需要の増加に対して人材の供給が追いついていないため、看護の現場は慢性的な人材不足にあり、さらに離職率も高止まっている状況です。看護人材の確保は大きな課題であり、当協会としては県ナースセンター事業に一層力を入れてまいります。
本年6月21日(金)に、2024年度の神奈川県看護協会通常総会を開催しました。重要議題である2023年度事業報告・決算及び2024年度重点事業(案)及び事業計画(案)・予算(案)・役員の選出について承認いただきました。しかしながら、3年連続している会員減少への対策・財政再建は、今後の事業推進を左右する大きな課題であると強く認識しています。
今年は、「神奈川県看護協会ビジョン2033~10年後のめざす姿~」をスタートさせて2年目となり、様々な新しい取り組みを始めています。ロードマップに基づいた事業を着実に推し進めることで、会員減少に歯止めをかけるとともに、将来を見据えた財政再建を図ってまいります。
最後に、神奈川県看護協会は職能団体として、看護職の人材確保と資質向上、県民の健康の保持、増進に寄与するため、新たな課題に積極的かつ柔軟に取り組んでまいります。皆さま方の変わらぬご支援をお願い申し上げます。
公益社団法人神奈川県看護協会
会長 長野 広敬
重点事業
- 看護職や看護補助者の確保・定着の推進
- 看護職のニーズに応じた多様な研修の実施
- 地域包括ケアシステム推進に携わる看護職の資質向上とその支援
- 危機管理体制の整備と組織力強化